コラム
新型コロナウィルスの感染拡大の影響による航空会社の採用中断そして、中止の発表。
2021年新卒又は既卒採用に備えて、CAやグランドスタッフを目指して準備に懸命に取り組んできた皆さんにとって、残念さ、無念さ、悔しさそして不安の大きさは計り知れないものかと思います。
今後の採用はどうなるの?
今何をすればいい?
採用再開がなかったらどうしよう?
ショックが大きすぎて、なかなか前に踏み出せない…
このような気持ちや状況になるのも当然です。
皆さんの情熱と努力があったほど、そのような気持ちも強かったことでしょう。
今回はそんな皆さんの、今何とも言えない不安や悩み、疑問にお答えし、再度夢への一歩を踏み出す後押しができればと思います。
状況は少し異なりますが、この記事を書いている私自身も、涙止まらぬ悔しさを経験しました。新卒受験で複数のエアラインで最終試験まで行きましたが、結果全て不合格。外資系1社は内々定になりながら、メディカルチェックで引っかかり、内定に至らず…
当時、学校の授業中にあふれ出る涙を止められず、それを隠すのに必死になった思い出があります。最終的に1年越しで夢を叶えることができたのですが、一度悔しい思いをしたからこそ、嬉しさと喜びはひとしおでした。
私の過去についてはさておき、お伝えしたいのは、だからこそCAやグランドスタッフを目指してきた方、そしてこれから目指そうと気合を入れていた方の気持ちが痛いほどに想像できるということです。
私が最終的に念願だった夢、CAになることを叶えられたのはやはり
「諦めなかったこと」
遠回りでも、全ての現実を受け止め、できること、するべきことを全てやりました。
そしてその経験があったから、CAという職業を叶えてからも10年間、信念を持って全うできたのだと思います。
今回の採用中止は残念であり、悔しいですが、諦める必要はありません。今できることはたくさんあります。この経験を、あなた自身の強みに変えることさえもできます。
この記事を読んで頂くことで、延長された準備期間を味方につけ、今すぐにでもまた一歩踏み出したくなるように、皆さんの背中を後押しできたらと願います。
ぜひお役立ていただけたら嬉しいです。
2020年5月、国内航空会社が続々と、2021年度入社に向けた採用活動の中断について発表しました。
ANAが5月初旬に発表し、JALはなんとかそうなりませんように…と強く願っていた方も多かった中で、5月中旬にスカイマークが、そして下旬にはついにJALが発表しましたね。
そしてつい先日7月10日、ANAグループ全体の採用中止、28日にはJALグループの採用中止が正式に発表されました。
きっと皆さんの中で、とても受け入れ難いニュースだったことと思います。
志望していた方にとっては、この「採用中断」「採用中止」の発表により、感情が大きく左右されたことと思います。
かつて本気でCAを目指した私も、もし皆さんと同じ状況に立たされたなら、そのショックはどんなに大きいものか、よく想像できます。
しかし、この現実を変えることはもちろんできません。
でも、必ずまたいつかは採用が再開されます。それまでに、まずはこの現実を受け止め、自分の感情も受け止め、そして世界全体が苦しい状況の中で少し落ち着いて「企業側」に立って考えてみるのも大切ではないかと思います。
大幅な旅客数の減少…5月の訪日旅客数は99%減という状況でした。大幅というどころか、ほぼ旅客なしの状況です。
ANAは社員を守るためにも、一時帰休や、一時金の削減などを実施、2020年1~3月期決算で純損益が587億円の赤字、などが明らかにされています。JALも2020年1~3月期純損益は229億円の赤字、夏季賞与半減などが発表されています。
また両社ともに、経営維持のための巨額の資金調達(ANAは合計で9500億円、JALは未公表)に取り組みました。現時点では、公的資金には頼らず自助努力でなんとか耐えようと、両社ともに会社の強さと価値を維持する姿勢をみせているようです。
皆さんご存じでしょうか?
ANAは保持している飛行機を維持するのに、月1000億円かかるのだそうです。旅客数ゼロに近い中でこのリース料を払わなくてはなりませんでした。
また、新入社員のCAを独り立ちさせるまでの訓練にも、1人数百万かかると言われています。これもなかなか知る機会のない情報かと思います。
お金の話が続きましたが、自分が志望する業界や会社の経営の実態について知ることはとても重要です。
ここまで読んで、皆さんはもうお気づきかと思います。
とても厳しいですよね…
それでも、未来の人材育成には両社ともとても重点を置いていますので、今回の採用中断、中止という決断も、苦渋のものだったことに違いありません。
しかしお分かりの通り、新入社員を例年通り採用して、教育して…ということに取り組める余裕がないことは容易に想像できます。例え採用活動が行なわれたとしても、無理な経営状態の中で社員として働くのも、また厳しいものではないでしょうか。
この採用一時中断、中止という実態を深く掘り下げて理解することで、皆さんの今後のエアライン受験との向き合い方や気持ちも少し変わってくることと思います。
2021年度新卒受験の予定だった方、そして来年、再来年新卒受験の予定の方にとっては特に今悩んだり迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「採用再開を待っていて良いのか…」
「エアライン以外を志望していないから、他業種の試験を受ける気持ちになれない…」
「いずれまたエアライン受験をする際に良いステップとなる就職先はどこだろうか…」
来年採用再開の可能性、また具体的にいつ再開されるのかは、現時点では誰にも分らないものだと思います。各企業さえも見当がつかないかもしれません。
過去2003年に世界的規模で発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)の影響で、ANAは二年間、CAの採用をしませんでした。JALも採用活動はしたものの、採用人数を大幅に絞った例もあります。またJALは2010年の経営破綻後、翌年2011年からの客室乗務員の採用を取りやめ、2013年から採用を再開しました。
他にも2001年の9.11世界同時多発テロ、2008年のリーマンショックなどによる航空需要の急減が過去にありましたが、これらの例のデータから、航空需要の回復には、早くても2年かかると捉えられてきました。今回のコロナウィルスの影響はこのような過去の例を上回る情勢であるのが事実です。
皆さんをがっかりさせるつもりは全くありません。しかし現状を受け止めて今を乗り越え、必ず夢を掴んでほしい!と心から願うからこそ、お伝えしました。もちろん、あくまでも過去の例と目安であり、今回はどうなるかは分かりません。しかしある程度、過去の事例を知って自分の中での目安やシナリオ作り、心構えの一つにしていただけたらと思います。
ここで、最初の問題に戻ります。
「採用再開まで待っていていいのか…」
もう皆さん、何となく感じていることと思います…
分からない採用再開時期をまだかな、いつかな、と待ちわびているのではなく、やはり他職種の就職先も視野に入れ、そこでまた新たな経験という武器を強みに成長できたら、どんなに素晴らしいことでしょう。
エアライン業界への転職を視野に入れて、サービス業の経験でも、全く関連しないものでも、何でも良いと思います。どんな経験も宝になり、エアライン受験を再開するときには、今の皆さんがさらに成長し、より自信と経験を身に着けて挑むことができます。
ぜひ視野を広げ、エアライン以外にも挑戦して頂きたいと思います。
とは言え、今年及び今後数年の就職活動はエアラインだけでなくどの業界も厳しい状況であることが考えられます。上手くいかないこともあるかもしれません。そのような時には、どうかご自身を責めすぎないで欲しいと思います。
今皆さんができる最大限のことをするだけです。それで上手くいかない、希望通りにいかないときは、この情勢の中ご縁とタイミングが合わなかったんだ!と捉えて次の希望する企業や視野に入れている方向に向かってチャレンジしていきましょう。
予定していたエアライン受験。仕方ない状況とは言え、その機会が突然奪われたような感覚の方も多いでしょう。しかし、あなただけではありません。皆が同じ条件で先送りとされているのです。つまり、ここでどのようなマインドで、どのような行動をとるのかで大きく差がつき、未来の合格に繋がっていきます。ある意味一旦リセット、皆がゼロからスタートできるチャンスでもあるのです。
なぜ自分はCA/グランドスタッフになりたいのか?また世界がこのような状況になっても、本当になりたいという情熱があるのかを、今一度確かめられる機会です。もし答えがYesでしたら、迷いなく、いずれCA/グランドスタッフとして働いている自分の姿をイメージしながらそれをモチベーションにし、今できることや、本当はもう少し強化しておきたかった事などに取り組みましょう。そして、それほど私には情熱があるんだ!ということを自信にしてください。
逆に答えがYesと言い切れないな…という方は、再度ご自分と向き合い、考えてみてください。エアラインで働くというのは、世界の人々の夢を運ぶ一方、どのような状況も受け入れ、冷静に立ち向かう、そして人の命をも背負う保安業務であることを認識することが求められます。そこまでの覚悟はちょっとなかったかもしれない…という方のほうが多いかもしれません。もちろん、それではダメということではありません。皆が皆そこまで考えて受験し、入社しているとも限りませんし、入社後の教育で、自覚することのほうが多いでしょう。
この記事をここまで読んで下さっている皆さんは、覚悟の度合に違いはあったにしても、それでもやはりCAやグランドスタッフになりたい!と強く思っていらっしゃることと想像できます。
その情熱こそが、採用再開時の強みとチャンスになります!
➀どんな状況でも、この仕事に魅力を感じれる根底には何があるのか
②自分に何ができるのか、ステップとして経験する前職で何が得られそうか
③どんなCA/グランドスタッフになりたいのか
を再度深く深く掘り下げて考えてみましょう。きっとこれまで考えていたものとはまた異なった視点での答えが出てくるかと思います。また、他職業を経験しながらの場合には、より回答の説得性と幅も広がることと思います。
そして、この記事を読んでくださった皆さんには、
④エアライン特有の覚悟と責任
という重要なマインドセットの必要性をお伝えし、認識して頂きました。
この4つのことを、次なる採用試験時にしっかりと企業にアピールできたら、合格にグッと近づくことでしょう。
コロナウィルスの影響による採用中止に関して、実態と今後のエアライン受験との向き合い方について、具体的にお伝えしてきました。
「よし!前を向いて今できる事をやるぞ!」
と気合いがすでに入った方もいらっしゃれば
「そうは言っても…エアライン以外考えられない…」
「分かってはいるが…どうしてよりによって私の年に…」
「コロナがなければ…」
という思いが拭えない方もいらっしゃいますよね。
分かります。本当にその気持ちは分かります。
でも、もし本当にCA/グランドスタッフになるという夢を叶えたい!と思っているならば、今、前に進みましょう!
停滞は何も生み出しません。
考え方を変えれば、準備期間が延長されたと、捉えることもできます。
さらなる自分磨きや、新しいことに挑戦することで特技や知識を増やし、経験値を上げた状態で試験再開時に臨むことができるのです。
これまでしっかり準備してきた方、実は少し準備期間が足りていなかったという方、どちらにとっても、これはある意味ビッグチャンスです。
しかし、今、この瞬間から差は生まれています。
悔しい経験を乗り越え、今の自分にはないさらなる経験と自信に満ち溢れた状態で試験に挑み、遠回りでも夢を叶えられたときは、喜びと仕事への想い、そして幸せは倍増するものだと、私自身もかつてのCA受験を通して感じました。
今年の就活生の皆さんのこと、心から応援しています!
CAになる!グランドスタッフになる!という強い想いを、数年後に最大限に生かして合格を掴めるよう、どうか今を力強く踏み進んでほしいと思います。
エアライン受験対策をすることは、他のどの企業にも通用するどころか、圧倒的に有利になりやすい傾向があります。
自己分析の徹底や、企業への想い、働く上でのビジョン等を明確にすることはどの就職試験でも共通して必要となりますが、さらに洗練された身だしなみ、話し方、振る舞い、表情、ホスピタリティ精神等がエアライン受験対策には加わってきます。どの企業にとってもより好印象且つ欲しい人材になり得るのです。
当オンラインエアラインスクールでは、エアライン受験対策のサポートをしながらも、現在採用中断、中止という状況下で、生徒さんのステップアップやマインドのフォロー、ご希望に合わせてエアラインに限定せずに就職試験サポートにも対応しています。
エアライン受験中断により、他職業の受験に切り替えていらっしゃる例として、ホテル業界、ブライダル企業、旅行会社、アパレルサービス、美容業界等があげられます。
エアライン受験の準備を前提とし、モチベーションを維持させつつも、柔軟に皆さんの状況に合わせたサポートができるように努めていますので、ご興味のある方、ご相談等はお気軽にご連絡ください。
このようなお悩みをお持ちの方はぜひ、Believe in(ビリーブイン)までお気軽にご相談ください。ANAで10年のCAキャリアを積み、また、エアライン専門学校でのアシスタント教員の経験も持つ講師が、皆さんの心に寄り添って全力でサポート致します。